土へのこだわり

「酒・米・土・水・木」先祖が残した貴重な「土」を守り、育てる

酒の原料となる良い米は、良い土があってはじめて良い穂を結ぶことが出来るわけですが、その土質が極めて重要で、良い土を育てるには大変長い年月を要します。

緑の多い日本では、田園、畑、山、雑木林(最近は少なくなりましたが)等々があまりにも恵まれすぎているためか、その有り難さをつい忘れがちですが、それぞれの良い土壌を得るためには少なくとも10年、20年という年月が必要になります。

何世代にも渡ってやっと出来てくる土は、時間を超えた贈り物だと考え、土という自然のすばらしさ、パワーを次代へ伝えてゆきたいと思っております。

こだわり その壱
森林からの恵み

自然の生態系においては、川上で山から川下である圃場(田んぼ)にいたるまでの一連の循環系のサイクルが極めて重要です。

この生態系を崩してしまうと、従来の自然環境を維持することが困難となります。それは、川魚、海魚と山の関係と全く同じです。山の恵み無しに圃場の恵みはあり得ません。

こだわり その弐
土壌中の微生物

土壌は土質の他に土壌中の微生物が重要な役割を果たしています。これにより、土壌の品質、特性が決まってきます。

土壌中の微生物があってはじめて良い土質が誕生します。ある意味で、人間の体と全く同じです。人間の体内においても有用微生物が重要な役割を果たしています。

こだわり その参
土壌の適正

米の生態系は、自然環境の適地適正を抜きに考える事はできません。山田錦の育つ環境は、兵庫県の特A地区の環境が極めて合っていると思います。山田錦をこちらで育てようとすると兵庫県の約1/2の反収になってしまいます。

これには、気候そのものの問題と土壌適正が重要なポイントになる為です。この笠間地区の土壌特性と気候特性に合致した品種は亀の尾系コシヒカリが最も適してると思われます。山田錦は、兵庫県産であっても35%くらいまでの精白までは適していると考えられますが、それ以上の高精白である当蔵の27%等に関してはなかなか難しいと考えられます。山田錦の米質は組織特性的、組織構造的に心白が大きすぎるために35%をきる高精白には不向きです。

当蔵で使用している地元笠間市産亀の尾系コシヒカリは適度な柔らかさと適度な硬さをあわせもった高品質な高精白に向いた品種特性といえます。特に土壌特性は1,2年で改良することは困難で10年20年という長いタームを要します。ある意味で、人間の体質改善と似ていると思われます。土壌はその母体であり、すべての栄養素をそこから吸収して米は育ちます。このため、土壌適正は気候適正と同様に重要な環境要因になります。

こだわり その肆
常陸の国の黒土

黒土は関東ローム層の上に堆積した有機物を大量に含んだ土壌です。この肥沃な大地の恵みが品質の高い米を作ってくれます。黒土はローム層の後にできた為、ローム層よりも後の時代にできました。その為土の粒子がローム層の様に粘土化してなく手がスッと入る感触の土です。ある意味で、黒土は完熟たい肥とほぼ同じ特性をもっているので地力地温共に高めです。

このような土壌環境で育った米は、粒張りが良く組織構造が密で蒸しても香り豊かな米になります。このような黒土の環境で育った米を使用することが重要です。

こだわり その伍
腐葉士の重要性

今でこそ完熟たい肥という言葉が出てきましたが、化学肥料ができる前は完熟たい肥いわゆる腐葉土を作ることに力を注いでいました。腐葉土の発酵力は旺盛で皆様ご存じの通り、大きな熱エネルギーとなるほどです。

腐葉土を作る前は、それぞれが臭さがあったり臭いがありますが、発酵によって腐葉土が出来上がる頃には腐葉土の臭いがなくなり極めて自然な香りが出来上がります。お酒の発酵と同様に腐葉土における有用な微生物の役割を果たしています。これが、免疫特性を高め、様々な病虫害からもある程度の耐性を持つことができます。黒土と腐葉土の相性を考えながら土壌つくりをつることがより一層酒造りに適した米を栽培することになります。

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